お客様: 大学の研究室様

ご依頼内容

  • 太陽電池のエレクトロルミネッセンス(EL)検査のため、近赤外(InGaAs)カメラの露光を制御し、微弱な発光に同期して撮影・積算するプログラムを、新規に開発したい、というご相談。
  • 既存の検査システムから市販カメラへ載せ替えたうえで、制御ソフトを一から作る必要があり、その進め方が課題だった。

課題

  • EL発光は微弱で、1フレームの撮影ではS/Nが足りないため、発光時と非発光時の差分を、多数のフレームにわたって積算すること。
  • 既存システムの撮影トリガは専用ハードウェアで制御されており、その仕様情報が入手できないため、既存ソフトをベースにせずに、開発すること。
  • 発光用の電源には手を入れず、カメラ側の制御だけで、発光との同期を成立させること。

ソリューション

  • カメラの撮影周期を、発光パルスの周期からわずかにずらし、「うなり」によって点灯フレームと消灯フレームの両方が自然に得られる方式で、トリガ配線を使わずに同期を実現した。
  • 直近フレームの平均輝度のMin/Max探索により、点灯・消灯フレームを自動で判別し、差分画像を積算して、S/Nを改善した。
  • 16bit RAW画像(TIFF)の保存と、撮影パラメータのテキスト自動記録を実装し、測定条件を、後から参照できるようにした。
  • カメラメーカーのSDKと画像処理ライブラリを用いて、C#アプリケーションとして開発した。
  • 実機のカメラと測定用PCをお借りして開発し、納品後には現地で、実機での確認と調整を行った。
  • 屋外での撮影に対応するため、平均像と積算像の切り替え、測定領域(ROI)の指定、選択領域の面積表示といった機能を、後から追加した。
  • 機能追加にあたっては、屋外の実験に立ち会い、その場で改修を行った。
太陽電池EL検査用カメラ制御・積算撮影アプリのメイン画面
開発したアプリのメイン画面。左が撮影中のライブ映像、右が点灯フレームと消灯フレームの差分を積算した画像。平均像と積算像の切り替え、積算枚数、パネル領域の指定、表示階調の調整を、画面上で操作する。表示データはサンプルデータで、実際とは異なります。

結果

  • トリガ配線を使わずに、発光への同期と差分積算の撮影を実現した。
  • 周辺の映り込みを測定領域の指定で除けるようにしたことで、屋内の検査だけでなく、屋外での撮影にも利用が広がった。
  • 納品から2年以上にわたり、研究室の実験で稼働している。

ひとこと

  • カメラ撮影を制御し、撮影と計算によるデータ処理をリアルタイムで行うのは、プログラム開発としては、難易度が高いものです。特に画像処理をしながら撮影周期に間に合わせるのは、難しい制御が必要となります。
  • カメラの光学的な知識も必要なので、専門的知識を持っている人が開発するのが良いと思います。
  • 既存の検査装置の一部が仕様不明で手が付けられない、というご相談は、研究の現場からよくいただきます。カメラ撮影から制御・画像処理ソフトの開発、現地での実機調整までを、一式でお引き受けしています。

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