お客様: 太陽電池の開発企業様
ご依頼内容
- 屋外の実証試験で溜まっていく発電、日射、温度などの計測データを、まとめて可視化し、変換効率の経時変化を見たい、というご相談。
- 変換効率の傾きから劣化の速さを推定し、外れ値の扱いによって結論が変わらないかも、確かめたい。
- データが増えるたびに解析をやり直せるように、実行するだけで結果の図と数値が出る形で、納めてほしい。
課題
- 計測の時期によって列の構成や測定条件が異なる、大量のCSVを、統一的に処理すること。
- 計測系の変更や異常な値を見分け、補正と除外の条件を、明示すること。
- 外れ値処理の選び方が、劣化係数の推定に与える影響を、比較すること。
- 数GB規模に積み上がった計測データを、繰り返し読み込める速さで、扱えるようにすること。
ソリューション
- 発電特性、日射量、発電電力量、変換効率を、日次、月次、方位別に可視化した。
- 1か月分の計測データを処理済みのMATファイルとしてキャッシュし、大量CSVの繰り返し読込を削減した。
- 計測日による列構成の違いを吸収し、測定点が少ない日、夜間の異常値、上下1%の外れ値を、条件別に除外できるようにした。
- 可視化の不整合から、受光面積の変更やセンサ設置に起因するデータの不整合を検出し、内容を確認のうえ補正した。
- 線形回帰、ロバスト回帰、多項式近似を比較し、複数の外れ値処理で、劣化係数を推定した。
- 気温、湿度、風速、日射量、発電量の相関係数と、線形回帰モデルを作成した。
- データを配置して実行するだけで結果の図が出る状態にし、顧客の環境で動く形で引き渡した。



結果
- 劣化係数は、3種類の外れ値処理で同程度の推定値に収まり、処理の方法によって結論が変わらないことを確認した。
- 計測項目どうしの関係を、相関係数と線形回帰モデルとして整理し、当てはまりの良否まで報告した。
- 解析の過程で計測系の変更が見つかり、以後のデータを、正しい条件で扱えるようになった。
- データの周期性、多重共線性、短い期間での推定の不安定さは、残る課題として報告した。
- 実証試験のデータが増えても、同じ手順で可視化から統計処理までを回せるようになった。
ひとこと
- 実証試験のデータは、計測系そのものが途中で変わっていることがあり、統計モデルを当てはめる前に、データの品質を確かめる工程が要ります。プロットの違和感から計測系の問題に気づくには、統計だけでなく、計測とデータ処理の両方の目が必要になります。
- 外れ値の処理は、選び方ひとつで傾きが変わってしまうため、複数の方法で推定し、結論が処理方法だけに左右されないかを確認します。
- 解析のプログラムは、データを差し替えて実行するだけで同じ図と数値が出る形で納めているので、データが増えても、担当の方がご自身で回せます。
- 「溜まったデータを、まず見えるようにしたい」というご相談は、よくいただきます。データの読み込みから、可視化、統計処理、報告書までを、一式でお引き受けしています。
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